家づくりの基礎知識

親子ローンのメリットと注意点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
住宅ローンの話

今回は「親子ローンのメリットと注意点」というテーマでお話しします。
親子ローンには「親子リレーローン」と「親子ペアローン」があります。
最近、二世帯同居を前提に親子ローンを組むケースが増えています。

親子リレーローンについて

親と子どもの同居を前提に、親と子どもの連名で連帯債務者になることで
親の年齢に関係なく住宅ローンを借りられるというメリットがあるのが
リレーローンです。

親子ローンのメリットとは

ではリレーローンについて説明をします。
住宅ローンには金融機関ごとの借り入れに関して年齢の制限があり、
完済時の年齢が満80歳までとか、75歳までといった規定があります。

たとえばローンの完済年齢が満80歳までの場合、現在55歳の人であれば
最長でも24年返済のローンしか組めないことになります。そこで、子どもが
債務を引き継ぐことを前提に親子リレーローンにすれば、返済期間を最長の
35年返済まで延長することができます。そうすると3,000万円のローンを
35年返済すると、毎月の返済額は99,360円となります。

因みに一般のローンを組むと本人の年齢が55歳の場合、24年返済と
なりますから、毎月の返済額は131,220円となります。毎月返済額の
差額は
31,860円となり負担額はかなり大きくなります。

リレーローンでは団体信用生命保険については、親は加入できませんが
子どもは加入することになります。

親子ローンのメリットがおわかりいただけたと思います。

親子リレーローンを使う場合の条件

親子リレーローンを使う場合の条件は金融機関によって若干異なります。

1.子どもに定期的収入があること
2.連帯債務者が1名以上必要であること
3.購入した住宅に親子が同居すること
4.申し込み年齢が70歳未満、などが挙げられます。

親子リレーローンのメリットは、返済期間が延長できるというメリットだけ
ではありません。たとえば、親の年収が少ないために収入基準にひっかかって
希望する金額の借り入れが難しい場合に、子どもの収入を合算して収入基準
をクリアすることができます。

しかし、初めて住宅ローンを利用する人にとっては不安に思うこともあります。

親子リレーローンの注意点

親子リレーローンの注意点を説明します。

親子ローンの注意点

1つ目は、親側は高齢者であるため完済までに年数を要するローンを
組む不安があります。

2つ目は、子ども側は返済の負担によって生活費や子育てに関する
費用など、
将来設計や家計に及ぼす影響があります。

3つ目は相続問題でトラブルが発生する恐れがあります。

どういうことかというと、土地や建物が親の所有の場合、配偶者やすべての
子どもに相続権がありますが、親子リレーローンを組んだ場合、土地と建物に
抵当権
を設定するので、ローンを支払っている子どもに権利が限定されます。
すると
相続について家族で合意がないとトラブルに発展する恐れがあります。

4つ目は、親子リレーローンを返済している限り、子ども側は新たに
住宅ローンを
組むことはできません。

たとえば親子間のなんらかの家庭の事情で子ども側が別居し、そして新しく
家を建てる場合、既にローンを借りているために、新たな住宅ローンの
借り入れはできないことになります。

親子ローンでマイホームを取得する場合の登記は、親子の出資比率に応じて
共有名義にしますが、将来の相続を考慮して、子どもの土地の持ち分割合を
大きくすることも考えておくべきです。

親子ペアローンについて

親子ローンで相続などのことを心配するのであれば「ペアローン」をお勧め
します。
ペアローンとは、親側と子ども側でそれぞれが主たる債務者として
ローンを組んで、
最初からそれぞれが返済するローンのことです。
その際にはそれぞれが相手の債務に対する連帯保証人になることが条件となります。

夫婦間でも利用できるペアローン

ペアローンは夫婦間でもOK

ペアローンは親子間だけでなく、夫婦間でも利用することができます。
その場合には、夫と妻がそれぞれが持分登記をして、相手方の連帯債務者となること、
それぞれ団体信用生命保険に加入することも併せて義務付けられています。

ペアローンのメリットは、それぞれの債務者が住宅ローン控除の対象となり、
減税効果がより大きくなることです。

繰り返しになりますが、親子ローンを申し込む場合には、親子双方と
家族間の話し合いを綿密に行なうことが重要だと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

家づくりの学校をYouTubeでも!

家づくりの学校はYouTubeでも配信中!


この記事に掲載されている動画はYouTubeでも配信中です。
ご自身のブログでの共有や、チャンネル登録をして
いただけるとより便利に活用いただけます。
ぜひチャンネル登録・共有
してみてくださいね!

家づくりの学校YouTubeチャンネルはこちらから!