家づくりの基礎知識

65歳定年制のカラクリとは

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住まいのライフプラン

今回は老後の不安を解消する方法について話をしたいと思います。

親の世代と今の世代を比較してみると

ご両親の時代と今の時代を比較してみました。

比べてみましょう!ご両親の世代と今の世代
一昔前の時代に日本は高度経済成長によって世界有数の経済大国となり個人
所得も大きく伸びました。例えばご両親の時代、昭和40年頃に働きはじめた
世代で大卒の初任給はたった2万円でした。38年後の退職時には40万円。
20倍の伸びです。

今の世代

今の時代はどうでしょう。初任給が20万円として退職時に20倍の
400万円になることは絶対ありませんよね。
給料の伸びは約2倍程度であると考えられます。

高度成長期のサラリーマンの方は年功序列によってある程度の賃金の上昇が
予測できました。だから賃金アップを見込んで住宅ローンを組むことが可能
でした。しかし、経済成長率が停滞している今の時代は賃金が将来どのくらい
上昇するかわからなくなりました。

多額の住宅ローンを組むことに躊躇しますよね。
「所得が増えない」。これは日本経済にとっても非常に悪い影響が出てきます。
そして老後の不安を募らせる大きな要因となります。

5年多く働ける、65歳定年制のカラクリは

皆さんは65歳定年制の導入で賃金体系の見直しが進んでいるのをご存知ですか。

定年年齢選択型給料

大手企業が採用している賃金体系に「定年年齢選択型給料」というのがあります。
ある大手企業では社員が55歳になると会社からサラリーマン人生の大きな決断
を求められます。どういうことかというと、「給料は現状維持のままで60歳で
退職するか、それとも給料ダウンで65歳まで働くか」というものです。

たとえばA社の場合60歳定年を選択すれば、年収600万円の場合本社勤務の
ままで給料はカットされませんが再雇用はありません。その結果、10年間で
6000万円の収入を得ることができます。
しかし、給与がダウンすることを覚悟して65歳まで働くという選択をすれば
まず56歳で早期退職して子会社に再雇用され、給料が2割カットされます。
そして60歳以降はさらに5割に減らされます。

障害賃金の比較

65歳まで働いた場合の15年間の総額は6900万円で5年間多く働いても
生涯賃金の差はわずか900万円にすぎない計算になります。
つまり「60歳で退職、再就職して年間200万円の給料を稼げば、65歳
までで雇用延長する人と生涯賃金は基本的に変わらない」ということです。

企業によっては65歳まで雇用延長したために逆に生涯賃金が減るケース
もあり、生涯賃金が減るくらいなら給料を満額受け取って60歳で退職
した方が得だという人もいます。しかし、60歳で定年退職すると再就職が
うまくいかず給料も年金もない「年金の空白期間が5年間」も生じる覚悟も
しておかなくてはなりません。

いかがでしたか。65歳定年制のカラクリ。
今の時代では50歳になれば60歳定年を選ぶことで生涯賃金を満額受け取る
ことができますが、30代や40代の社員にはそうした選択の余地さえなくなる
可能性があります。会社への忠誠心が重んじられてきた日本のサラリーマンは
新しい制度で「65歳まで働かせてもらえてありがたい」と思いがちです。

しかし、それは定年延長で年金払いを減らしたい国の政策、そして人件費の
圧縮をしたい企業の思う壺だと思います。65歳定年延長ということは5年
長く働けて給料が5年分増えるというのは錯覚であるといえます。

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