空き家サポート研究会

空き家を解体する前に検討すべきポイント

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空き家の活用

今回は「空き家を解体する前に検討すべきポイント」というテーマでお話しします。
空き家を管理せずに放置すると、台風や地震などで屋根材や外壁材などが飛散
したり、空き家そのものが倒壊する危険性があります。そしてご近所に多大な
迷惑を及ぼします。万一、人に怪我をさせてしまった場合、その責任は空き家
の所有者が負うことになります。

そのため利用する予定がない場合は空き家を解体することも選択肢の一つです。
もし「特定空き家」に認定されてしまった場合には、建物を解体することが
確実な解決方法となります。

空き家を解体するメリット、デメリット

では空き家を解体するメリットを説明します。

空き家を解体するメリット

①空き家を管理する手間から解放される
②売却の場合は更地のほうが高く早く売れる
③補修工事などの費用負担が不要になる
④近隣に被害を及ぼすリスクがなくなる、などです。

空き家は所有しているだけで、建物や庭木やブロック塀などの管理を定期的に
行なう必要があり、放置すると必ず樹木や雑草が生い茂り、害虫が発生し、
ゴミが投棄されてご近所に大きな迷惑をかけます。また土地の購入を検討中の
人から見ると、老朽化した空き家が建った状態では解体費用や手間がかかる
ので更地で販売されている土地の方が魅力的なのです。

しかし積極的に空き家を解体する人は少数派です。
そのため自治体によっては空き家の解体に補助金を出しているところもあります。

空き家の解体に補助金を出す中四国の自治体の例

例えば、広島県呉市では、一定の基準により危険と認定された老朽空き家の除却に
対しては、除却費用の3割かつ上限30万円までの補助金が出ます。

空き家の解体を検討する際は、空き家の所在する自治体で利用できる制度の有無
や解体業者の指定、事前診断などの条件を事前に確認することが必要になります。

空き家を解体するデメリット

では次に、空き家を解体するデメリットについて説明します。

①「住宅用地の特例」がなくなるため固定資産税と都市計画税が高くなる。
ただし空き家を放置して「特定空き家」に認定された場合も住宅用地の
特例が適用されなくなるため、「特定空き家」の場合は解体して確実に
解決するのがベストです。
②家財の処分や解体工事の費用を負担する必要がある。
③賃貸物件への転換や建物再利用の道が途絶える。
④実家であれば生まれ育った家と思い出が消える。

空き家を解体する際は、親族など関係者と協議のうえ、事前にしっかり
検討する必要があります。

解体業者を選ぶポイント

では次に、空き家を解体する場合の「解体業者を選ぶときに押さえて
おきたいポイント」を説明します。

①解体工事を行うために必要な解体業の登録または許可を受けているか。

それらがない場合は解体工事や廃棄物の運搬・処理を行うことができません。

②損害賠償保険に加入しているか。

解体工事中に隣接する家屋などを傷つけてしまった、あるいは通行人に
怪我をさせてしまった、という場合に適用される損害賠償保険等に加入
しているかどうかを確認します。

③解体工事の費用が安すぎないか。

解体工事は人件費、廃材処分費、重機の費用などから構成されます。
中には不法な手段で費用を安く済ませる企業もありますから、見積りに
含まれるもの含まれないものを事前に確認しておきましょう。

④支払い方法は前払いではないか。

通常の業者であれば工事後の一括払いを提案してくれます。
逆に工事前の一括払いを要求したり工事の進行状況よりも早い段階での
請求をする業者は避けた方が無難です。

⑤ご近所挨拶やクレーム対応は完璧か。

ご近所で解体工事が始まると近隣の人々は不安になるものです。
解体前に近隣へきちんと挨拶と説明をする業者かどうか確認します。

⑥マニフェストを発行し写しを提出してくれるか。

マニフェストとは「産業廃棄物の管理伝票」のことです。

産業廃棄物の管理伝票 マニフェストとは

建物の解体によって出た産業廃棄物の排出事業者が、その運搬や処理を
他の業者に委託する場合にその最終処理までの過程を記録するシステムです。
もし不法投棄をされてしまうと解体業者だけでなく施主も罰せられるので、
必ず「写し」をもらうようにしておきましょう。

建物の解体工事は騒音・粉塵・工事車両などで近隣に迷惑をかけることの多い
行為ですので、しっかり準備した上で慎重に取り組むことが大切です。

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