今回は「賃貸のリスクを最小限に抑えるには」というテーマについてお話します。
「空き家を賃貸に出す」のは簡単なようですが、貸主としてやるべき役割は意外に
たくさんあります。例えば、賃貸に出す空き家が自宅から遠く離れていたり、
自分で管理するのに時間がないという場合には、管理を不動産会社などに委託する
方法もあります。まず大家さんの役割について考えてみましょう。
大家さんの役割
大家さんの役割は大きく分けると3つあります。
①入居者の管理
入居条件を整備し、入居者の募集から退去までの対応を行なうことです。
②「建物の管理」
メンテナンス、設備の修理、退去時の清掃などを行うことです。
③「資金の管理」
家賃の徴収、維持費や税金などの支出、確定申告などを行うことです。
大家さんの役割や仕事は結構たくさんありますね。では次にそれらの役割を
入居者の管理、建物の管理、資金の管理に分けて見ていきたいと思います。
Aの日常的に行なうことは、家賃の管理、建物のメンテナンス、資金の収支管理・
納税準備・リフォーム費用の積立などがあります。
Bの必要時には、入居者からの苦情や要望の対応、契約違反の対応、設備の修理、
リフォーム、確定申告や固定資産税の支払いなどがあります。
Cの契約更新時には、入居者の意思確認や契約更新の手続き、更新に伴う収支管理
などがあります。
Dの入居者が退去するときには、退去の立ち会いや修繕箇所の確認、家賃・敷金など
の精算、次の入居者の募集、クリーニング、リフォーム、退去に伴う収支管理つまり
精算などがあります。
これらを自分で行なわない場合には、入居者管理や建物管理は不動産会社に委託し、
資金の管理の一部は税理士などに委託することもできます。
空き家を賃貸に出す場合のリスク
では次に空き家を賃貸に出す場合のリスクについて考えてみます。
何事も経営に関してはリスクはつきものです。
賃貸経営に関するリスク5項目をリストアップしてみました。
空き家を賃貸に出すリスク
①入居者が決まらず家賃ゼロになるリスク
②建物や設備などの劣化や故障のリスク
③賃貸相場の変動など家賃値下げのリスク
④家賃滞納など入居者トラブル発生のリスク
⑤地震などの自然災害や火災などのリスクなどがあります。
このうち①の「入居者が決まらず家賃ゼロになるリスク」について説明します。
入居者が決まらない要因は、①募集条件 ②物件の魅力 ③募集活動に問題があります。
①募集条件としては、賃貸物件のニーズが少ない地域である。家賃の設定が地域の相場より
高い。敷金、礼金、更新料などの条件に問題があるなどが考えられます。
②物件の魅力としては、立地、築年数、間取り、設備などが競合物件より劣る。メンテナンス
が十分でないなど維持管理に問題がある可能性があります。
③募集活動としては、広告宣伝が行き届いていない。仲介の不動産会社が熱心でないなどが
挙げられます。
賃貸経営において、入居者なしの状態を続けないためには、的確な方法で問題を解消して
いくことが必要です。では次に「家賃滞納など入居者トラブル」には具体的にどんなもの
があるのかを見ていきます。
入居者トラブル
①家賃滞納 ②生活トラブル ③退去時のトラブル、これらがよくあるトラブルです。
入居者とのトラブルを防ぐポイント
入居者とのトラブルを防ぐポイントは「入居者審査」がしっかりできているかどうか
だと思います。入居者を決める際には、「支払い能力があるか」「ルールを守れる人か」
という2つの観点から入居者を見極めましょう。
そのポイントは入居者の勤務先や年収などを確認し、家賃滞納のような家計状況に陥り
にくい人物かどうかチェックします。そして連帯保証人の勤務先なども確かめたうえで
賃貸借契約書をしっかり取り交わしておくことが重要です。