空き家サポート研究会

金融機関の空き家対策ローン

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日本の空き家の現状

今回は「金融機関の空き家対策ローン」について話をしたいと思います。
最近、空き家の解体やリフォームなどに利用できるローン商品を取り扱う
金融機関が増えています。

金融機関に拡大する「空き家関連ローン」

ではその実態を説明します。2014年に取り扱いを開始した秋田銀行の
「空き家解体ローン」
自治体と連携した全国で初めての取り組みです。
豪雪地帯の秋田では老朽化した空き家のリスクが高く、地元自治体からの
要請で解体費用のローンが商品化されました。

秋田銀行の空き家解体ローン

利用できる人は空き家の解体を検討している個人で、申込時の年齢は20歳以上、
完済時の年齢は80歳以下、借入期間は5年以内。借入金額は10万円以上、
200万円以下となっています。担保や保証人は原則不要です。

その後2015年に「空き家対策特別措置法」が施行され、それ以来、
空き家
関連ローンが地方銀行をはじめとする金融機関に一気に拡大しました。

借入金額は500万円以下、借入期間は10年以内という商品が多く、金利は
他の「無担保ローン」より少し低めです。自治体の補助金制度を利用する場合
に金利を優遇する商品もあります。

無担保ローンとは

では次に、担保の提供が必要でない「無担保ローン」について説明します。
住宅ローンは原則として担保提供が必要ですが、空き家対策ローンは原則と
して無担保でOKです。「無担保ローン」には教育ローン・自動車ローン・
カードローン・フリーローンなどがあります。それらの特徴は、①金利は高く
②融資限度額は小さく③最長返済期間は短くなっています。

空き家対策ローンとは

では次に「空き家対策ローン」の3つの種類について説明します。

空き家対策ローン3つの種類

空き家対策ローンは3種類あります。
①「解体ローン型」は空き家解体工事費に対するローンで無担保で保証人も不要です。
空き家の所有者には高齢者が多く、年金受給者でも借入できるようになっていますので、
自治体と連携するケースも多く、自治体から補助金を受けている場合は金利を引き下げる
措置が取られることもあります。

②「活用ローン型」は空き家のリフォームを対象としたもので、空き家を購入する
購入資金や、防火・耐震、防災・防犯上の設備対策費も利用できます。

③「既存ローン組込型」は既存のリフォームローンや無担保ローンの項目に
「空き家解体」を含めたものです。

空き家対策ローンの商品の一例

では次に空き家対策ローンの商品の一例を3つの種類に分けて紹介します。

①の解体ローン型では、秋田銀行の「あきぎん空き家解体ローン」、JAバンク大阪の
「空き家解体ローン」、呉信用金庫の「くれしん空き家解体支援ローン」、四国銀行の
「空き家解体応援ローン」などがあります。
②の活用ローン型では、常陽銀行の「空き家解決プラン」、トマト銀行の「トマト・
空き家活用ローン」、広島銀行の空き家対策支援プランのファミリーローン、もみじ
銀行の「空き家対策ローン」などがあります。
③既存ローン組込型では、三菱UFJ銀行と、みずほ銀行の「多目的ローン」、
三井住友銀行の無担保型「フリーローン」、愛媛信用金庫の「リフォームローン」
などがあります。

広島銀行のファミリーローンの商品名はファミリーローン、空き家対策支援プランです。

利用できる人は①借入時の年齢が20歳以上70歳以下
②安定・継続した収入のある人(パート・アルバイト・年金受給者も含む)
③所定の団体信用生命保険に加入できる人
④保証会社の保証が得られる人です。融資対象は、申込人またはその3親等以内の
親族が所有し申込人自らが居住していない住宅です。

次の費用が融資の対象となります。
①住宅・付属建物および外構等の解体・整地費用
②住宅・付属建物および外構等のリフォーム・修繕費用
③上記①から②に係る諸費用および他行ローンの借換え費用などです。
ただし、事業性、賃貸専用住宅向け資金には使えません。融資金額は10万円以上
500万円以下で、融資期間は6か月以上10年以内です。

融資利率は変動金利型の場合、年3.20%から3.65%で固定金利型の場合、
年3.75%から4.20%です。返済方法は元利均等返済で取扱手数料も担保も
不要です。保証人も原則不要で保証料は金利に含まれます。生命保険は所定の保険
会社の団体信用生命保険に加入することとなっています。

空き家問題が大きな課題となってきた今、住宅金融の面でも空き家対策が本格化
してきました。
空き家の解体費用やリフォーム費用などを支援する空き家対策
ローン商品の活用で、空き家問題が
解消することを期待したいものです。

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