今回は「無垢の木の床」についてお話します。
フローリングの種類と無垢の床板
フローリングには「単層フローリング」と「複合フローリング」があります。
単層フローリングとは、無垢の一枚板の床板のことです。本物の木の温もりや
質感があり、年月とともにつやが出て飴色の風合いを楽しめます。
それに対し複合フローリングとは、合板や集成材などの上に厚さ約0.5mmから
3mm程度の薄い天然木や、木目をプリントしたシートを貼ったものです。
一般的な住宅には複合フローリングが使われますが、新築時が一番きれいで
年とともに劣化し、表面に傷がつくと補修ができず、耐久性も乏しいものです。
今回の主役は無垢の床板です。
よく使われる材は、桧、杉、カラマツ、北欧パインなどの針葉樹の床板です。
広葉樹よりも柔らかいので足への負担が少ないのもメリット。
材料の違いにより色や質感が異なります。
無垢の床板のお手入れ
床板を水や汚れから保護するためには、自然塗料を塗ります。
自然塗料は、木の呼吸を妨げず、クリアで人体にも無害です。亜麻仁油、桐油、米ぬかの
油などの植物性の油脂が主成分で、木の内部に浸透し自然な艶を引き出します。
自然塗料を塗る方法ですが、まずはサンドペーパーで生地調整をし、刷毛で塗布。次に
ウエスで拭き取り、12時間乾かします。そして、乾いたら、同じ塗料をごしごし
刷り込むようにして再度塗布し、乾いたら完成です。1度塗りですむものもあります。
無垢の木の床のメンテナンスは意外に簡単です。
床の木と木が擦れて音をたてる「座鳴り」には、床板の「実(さね)」つまり、
「接合部のすきま」の部分に、台所洗剤を原液のまま注入するとよいでしょう。
床の黒ずみは、メラミンフォームのスポンジに水を軽く含ませて、こすって落とします。
床のお手入れには、米のとぎ汁をワックス代わりに使い、床を磨くとピカピカになります。
米ぬかの成分に、たんぱく質、りんに加えて、油分があるからです。
床の素材で個性が生まれる
ヒノキの床の空間は、香りよく、つややかです。
スギの床の空間は、柔らかく素朴な温もりがあります。
カラマツの床の空間は、赤みで質実剛健な味わいです。