今回は「木の家は美しい」というテーマでお話します。
現在、「自然素材の家」が広く人気を集めていますが、これは一時的な
流行とかトレンドというような一過性のものではありません。
「自然素材の家」の人気は、日本の気候風土や伝統文化に根ざし、脈々
と受け継がれてきた家づくりの歴史を経て、「家を建てるならやっぱり
自然素材の家だ」と気づいた多くの人々の心の声だと思います。
木造軸組の家
日本の気候風土に最適な住まいは「木造軸組の家」です。この伝統的な
家づくりは、常に新しく未来へと進化しています。若々しいデザインで
本物の材料を使い、職人の手仕事を生かした木造軸組の「自然素材の家」
は今、手の届くコストで建てることができます。
自然素材の家研究会では、こんな「自然素材の家」について、毎回
少しずつ学習していきたいと考えています。
とぎすまされた美的感覚を持つ日本人の感性の中で育まれた木造軸組の家。
棟上げのとき、構造体が立ち上がってゆく美しさを見ることができます。
整然と柱が立ち並び、理にかなった梁がかけられる。それぞれの構造材が
自らの全存在をかけて力を受け持っている。無駄のない力学的バランスの
見事な調和は、機能美だけでなく、見る人に安心感をも与えてくれます。
真壁づくりの美しさ
真壁づくりの美しさは日本人の心を癒すものであり、茶の湯、生け花、
能などに通じる引き算の美学がそこにあります。日本の家づくりは、
この半世紀の間に建築の工業化が進行しましたが大切な家族が暮らして
ゆく、人が住む住まいだけは、自然素材を用いて職人の手仕事でつくり
たいと、私たちは考えています。
自然素材の家で暮らす
正直言って、心と体をいやす場である住まいが、味気ない温もりのない
工業製品ばかりでつくられるのは賛成できません。
「自然素材の家」は、シックハウスの原因である有害な化学物質とは
無縁です。国産材の桧や杉や松、漆喰の塗り壁、和紙貼りの壁や建具
など、いつか土に還ってゆく素材でつくる家です。
「自然素材の家」で育つ子どもたちは、無垢の木の床板、漆喰の壁、和紙
の建具などの多様な自然素材に触れて、豊かな感性を伸ばし、心身ともに
強くやさしく成長します。
太陽や雨や風など自然の恵みに感謝し、自然素材に包まれて、四季の移り
変わりを実感しながら暮らすのは素晴らしいことです。