今回は、自然素材の家とも相性の良いおまけの空間「ロフト」についてお話します。
屋根裏空間を有効活用できるロフト
日本の暮らしにも根付いている屋根裏空間の活用
ロフトとは建物の屋根裏にある部屋のことを言います。
世界遺産の岐阜県白川郷の合掌造りでもおわかりのとおり、昔の農家の屋根裏は
養蚕(ようさん)や収穫物の乾燥などの大切な空間でした。屋根は断熱性の高い
茅葺きで、家族が煮炊きする住居と同一空間ですから、屋根裏は一定の温度を
保つ最高の場所でした。
屋根に断熱材をたっぷり収めれば、屋根裏スペース、つまりロフトを有効に
活用することができます。ロフトは収納部屋としてはもちろんのこと、子ども
の遊び場、ホビールーム、ミニ書斎など、さまざまな楽しい使いみちができる
おまけの空間となります。
ロフトを階数に算入するか、しないか
ロフトはいくつかの設計上のルールをクリアすれば、階数として算入しなくても
大丈夫です。だから物置などに活用することができます。その場合、収納としての
使用に限られ、居室としては使用できません。詳しいルールは各自治体によって
異なるので、最新の情報を確認する必要があります。
ロフトを階数にも床面積にも算入しないための主な基準
①ロフトがある階の床面積の2分の1未満であること。
②ロフトの最高の内法(うちのり)の高さが1.4m以下であること。
③換気目的の開口部を設ける場合は基準内の大きさにすること。
④ロフトの内部に収納を造作しないこと。
⑤床の仕上げは、畳、じゅうたん、カーペットなどにしないこと。
⑥エアコンなどの空調設備を設置しないこと。
⑦その他、居室などに使用するための仕様にしないこと。
などが基準として設定されています。
ロフトを寝室などの居室として活用したいときは階数に算入して扱えば天井の
高さ、床面積などの制限がなくなり自由な使い方ができます。そして、通風や
採光のため窓と空調設備の設置が必要となり、床面積は容積率制限の対象と
なります。ロフトを活用することによって、建築費用を比較的ローコストに
抑えることができます。
ロフトの床の積載荷重について
ロフトに本や雑誌など重い物を置いても大丈夫かというと、通常は構造計算に
おいてロフトの床の積載荷重は、1㎡あたり180㎏です。1m×1mの範囲に
180㎏を超えないように荷物を分散させて収納することが大切です。
安全に昇降できる階段の設置についても検討が必要になります。