空き家サポート研究会

プロの空き家管理サービスを活用

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日本の空き家の現状

今回は「プロの空き家管理サービスを活用」というテーマでお話します。

最近、遠く離れた実家を相続したものの、空き家の管理ができず困っている人
も少なくありません。地震・台風・豪雨・積雪など自然災害が発生すると遠く
の空き家はどうなっているか、近隣に迷惑をかけていないかと心配です。
もしも放置された空き家が「特定空き家」に認定されると、所有者は自治体
から厳しい指導や命令を受けることになります。

そこでリスクを避けるために「誰か信頼できる人に空き家の管理をお願いしたい」
というニーズに対し
「空き家管理サービス」を行なう事業者が増えてきました。

空き家管理サービスの内容はどんなもの?

ではその事業者が行なう管理サービスについて説明をします。
空き家の主な管理サービスは、8つの項目からなります。

空き家の主な管理サービス8項目

① 空き家の「通風と換気」です。窓を60分程あけて空気を入れ換えます。
②「通水と水漏れの確認」です。水道を1分程開栓して漏れがないかチェックします。
③「雨漏りの確認」です。屋根や外壁からの雨漏りによる損傷を確認します。
④「屋内・屋外の巡回確認」です。建材の破損や害虫・害獣などによる異状の有無を調べます。
⑤「簡易清掃」です。屋内・屋外の簡単な清掃です。
⑥「庭木・雑草の確認」です。植栽の剪定や草刈りなどが必要かどうかの確認です。
⑦「郵便物などの整理」です。郵便受けの郵便物などを回収して報告します。
⑧「診断結果の報告」となります。

空き家管理サービスに参入した事業者は、この8つの項目を基本サービスとしている
ケースがほとんどです。月1回の点検が主流で、標準プランの価格帯は5000円から
1万円が相場です。戸建住宅に比べてマンションは庭がないので割安になるケースが
多いようです。

空き家管理事業者のプラスアルファの基本サービス

ほかには「管理物件」であることを示す看板の設置、災害時の臨時巡回、近隣情報の
確認、積雪情報の確認、不法駐車の確認など
を基本サービスに含める事業者も見られます。

オプションサービスは?

オプションサービスとしては、庭木・雑草の剪定、郵便物の転送、ゴミ処理、
不用品処分、クリーニング、害虫・害獣駆除、指定の近隣訪問、破損部分の補修、
耐震診断、地震・台風など災害発生時の巡回、墓まいり、解体プラン提案、
リフォーム提案、賃貸の仲介、売買の仲介などを別途料金で用意している会社が
多く見られます。

また、近隣のクレーム対応や、紙やメールではなく動画による報告書を
サービスに含めるなど他社と差別化を図る会社もあります。

また、所有者の意向によっては、管理する空き家を賃貸に出したり
リフォームをしたり、売却するなど運用や活用のサポートまで行なったり
空き家の活用方法を提案してくれる会社もあります。

空き家管理サービスに参入している事業者は?

では次にどのような業種の会社が空き家管理サービスに参入しているかというと、
地元の工務店・不動産会社・造園会社・住宅メーカー・賃貸住宅管理・
マンション開発・ホームセキュリティ・ビルメンテナンス・鉄道会社・便利屋・
NPO法人など、さまざまな業種の会社が参入しています。鉄道会社が沿線の
住宅価値を維持するために空き家管理を始めたり、地域の街づくりの一環と
して事業を行なうNPO法人が参入するケースもあります。

埼玉県での事例

埼玉県は2018年4月から県内の不動産団体と連携し、空き家の管理を手がける
事業者を登録する制度を導入しました。空き家のゴミや雑草の片づけ、外観の点検
などのサービスを行なう事業者の情報を公開するものです。その目的は、増加する
空き家が引き起こす問題の解決と、空き家の流通の活性化です。
第1弾として県内の約110社が登録しました。サービス内容は外観の確認など
簡易なものから屋内の換気やゴミ拾いなどをセットにしたものもあり、料金は
1回あたり数千円から1万数千円程度です。
このように、自治体も地域の空き家管理サービスの活用を推進しています。

プロの空き家管理サービスを活用するメリットとは

空き家管理は面倒ですが、プロの空き家管理サービスを活用することで
様々なメリットがあります。

空き家管理サービスを活用するメリット

①管理の手間や時間を省くことができる ②メンテナンスで資産価値を維持できる
③近隣とのトラブルを事前に防止できる ④防犯対策や害虫・害獣対策ができる
⑤損害賠償責任を負うリスクを回避できる ⑥災害時の状況確認などの情報を得られる
⑦「特定空き家」の認定を回避できる、など多くのメリットがあります。

遠くの実家を相続して困っている方、空き家を管理する時間がない方などは、
信頼できるプロの空き家管理サービスを活用することをお勧めします。

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