空き家サポート研究会

空き家が増える理由

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日本の空き家の現状

今回は「空き家が増える理由」というテーマでお話しします。

日本の人口の減少と少子高齢化

空き家が増える理由はズバリ日本の人口の減少と少子高齢化によるものです。

日本の人口推移について

日本の人口推移
日本の人口は室町幕府が成立した1338年は818万人、1945年の
終戦時には7199万人、2008年にはピークの1億2808万人を記録
しました。しかし、それ以降は人口が減少しています。
人口推移の予測では2050年には1億人を切ってしまいます。
画像を見ておわかりのように日本の人口はピーク時には100年前の
3倍にまでハネ上がりました。しかし、これから100年後には3分の1
に減少するといわれています。

現在ベストセラーを記録している河合雅司さんの書籍『未来の年表』では、
3000年には日本の人口は2000人になると予測しています。
将来日本がどうなっているか、あまり想像したくありませんね。

日本の少子化について

現在日本では少子化がハイスピードで進んでいます。
年間出生数が大幅に減少していますがその状況について説明をします。

年間出生数の減少

出生数が大幅に減少しているのは非婚化・晩婚化が最大の原因です。
2016年の年間出生数は97万6979人で、初めて100万人の大台を割りました。
団塊の世代が誕生した1949年の出生数は269万人ですから、69年経過した
今、年間出生数は3分の1まで落ち込んでいます。2065年には出生数は
55万人と激減が予測されていますが、これはとても大変なことです。

出生数が減少すれば、将来働き手が少なくなり、市場が縮小し、GDPも
下がります。高齢化が進み、少子化によって人口が減少すれば、空き家が
増えます。

すると、ますます中古住宅の流通が活性化し、長期的には地価の下落が
進みます。このような現象が起きると、リフォーム市場は自然と活性化
されますが空き家が増えるという厄介な問題を抱えています。

日本の高齢化について

次に高齢化について説明します。

日本人の平均寿命は2050年に90歳を超える?

日本人の平均寿命は2015年時点で男性80歳、女性86歳となっています。
今後も平均寿命は伸びる傾向にあります。

日本人の平均寿命の推移を見てみると、室町時代の平均寿命は15歳、そして
1947年は52歳でした。それが68年後の2015年には男性80歳、女性86歳と
平均寿命が大幅に延びて、2050年には90歳を超えるといわれています。
平均寿命が延びると高齢者が増えます。2015年にはベビーブーム世代が
65才から74才の前期高齢者に到達し、その10年後の2025年には高齢者
人口は3500万人に達するといわれます。
そしてこれまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回るため、
医療、介護、福祉サービスの需要が高まり社会保障の財政バランスが
崩れると指摘されています。

高齢者の比率の増加と年金問題

深刻な年金問題

さらに年金問題も深刻です。高齢者の比率の急増と積み立てられた年金原資の
利回りの低下で年金は本当にもらえるのか?年金は払い損ではないかという
問題は既に表面化しています。それに加えて、年金給付額の減少も大問題です。
無職の高齢夫婦世帯では、2007年から2014年の7年間で、年金給付額は
月額で16,000円、年間では約19万3,000円も減少しています。
これは、若者にも大きな不安を与えることになります。

住宅取得人口の減少

加速する住宅取得人口の減少

住宅産業は人口と世帯数に支配される産業です。
戦後に人口と世帯数が増え続けたことにより住宅業界は活性化しました。
しかし国立社会保障・人口問題研究所の予測では住宅の一次取得者の人口は
2015年から2025年の10年間で大幅に減ることが予測されています。
25歳から29歳の人口ゾーンでは約7%減少します。
30歳から39歳の人口ゾーンでは約19%減少、最も働き盛りの
40歳から44歳の人口ゾーンは約26%減少します。
住宅取得人口の減少が加速し未婚率や晩婚化が上昇すると一次取得市場は
確実に縮みます。総世帯数も2019年の5300万世帯をピークに減少が
スタートし、2035年には4955万世帯まで縮むと予測されています。

人口が減り、世帯数が減り、住宅取得人口が減るなかで、従来通り国が新築
優遇政策を続け新築住宅が供給されていけば、空き家は増え続けることになります。

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