今回は「自然の庭づくり」についてお話します。
「自然の庭」とは、「小さな雑木林みたいな庭」のことです。
雑木林には「高い木、低い木、下草」が共存し、「常緑樹と落葉樹」
が太陽光や雨の恵みを分け合っています。庭づくりでも、その組み
合わせがポイントになります。
背の高い木はシンボルツリーに
高い木はシンボルツリー、庭を印象づける大切なアイテムです。
シネマトリコ
こちらは常緑樹の「シマトネリコ」。シンボルツリーは「アイストップ」
といって、人の視線を引き寄せる役目もあります。「シマトネリコ」は
ツヤのある小さな葉が軽やかな、スタイルのよい樹木です。
暖かい地方が原産のため、寒さにやや弱く、1年目は冬に落葉する
ことがありますが、暑さには強くて丈夫です。
ヤマボウシ
こちらは落葉樹の「ヤマボウシ」。ハナミズキと似ていますが、花びらの
先がとがっているのがヤマボウシです。梅雨どきに花を咲かせます。夏から
秋にかけて赤く熟したヤマボウシの果実は食べられます。落葉樹は春夏秋冬
それぞれ姿を変えて、私たちの五感を楽しませてくれます。
ヤマボウシの木は葉っぱが樹木の上のほうに密に付いているので、高い角度
から入る夏の直射日光をさえぎってくれます。冬は自ら落葉して、私たちに
陽ざしを届けてくれます。
ナチュラルテイストな背の低い木
ハナカイドウ
少し低い木の「ハナカイドウ」は、ソメイヨシノが散り始める頃に桃色の
可憐な花を咲かせます。花びらは、「おしべ」と「めしべ」を軽く包む
ような形で、完全には開かないのが特長です。
コデマリ
さらに高さの低い「コデマリ」。花はユキヤナギより少し遅く、4月から
5月に開花します。枝に沿ってびっしりと手鞠のような白い花を咲かせ
枝の垂れる姿が見事。暑さにも寒さにも強く育てやすい花木です。
庭の足元を彩る下草
ツワブキ
背丈の低い常緑の多年草「ツワブキ」です。葉は円くて、つやがあり
直径20センチほどあります。地下には短いワサビ状の茎が連なり、
大きな株になります。ツワブキの花は秋に株の中心から出て、先端に
キクに似た、3cmほどの黄色い花を咲かせます。花だけではなく葉も
変化に富み、日影にも強く一年中楽しめる植物として古くから
親しまれています。
キボウシ
多年草の「ギボウシ」です。葉っぱが個性的ですが、初夏から秋にかけて
薄紫の花を咲かせます。湿り気のある土壌を好むので土が乾いたら水を
しっかりとやります。
リュウノヒゲ
常緑多年草の「リュウノヒゲ」です。日陰でもよく育つので、庭の下草と
して活躍します。花壇の縁取りやグラウンドカバーにもなり、夏に花を
咲かせ、冬に光沢のあるブルーの実を付けます。
自然の庭づくりではシンボルツリーをメインに、ナチュラルテイストの
低い木や下草をあしらい自然石などを組み合わせるのがポイントです。