今回は、なぜか心が安らぐ「畳のある空間」についてお話します。
今も根強い人気がある畳
畳は世代を超えて今でも根強い人気があります。
床の間つきの和室は要らないけれど、リビングの一角に畳コーナーが
ほしいとか、それも、床を高くして、段差を収納に利用した「小上がり
の畳ボックス」がほしい、などの声をよく聞きます。
日本固有の文化である畳
畳は日本固有の文化。その昔、稲わらを圧縮させて畳床(たたみどこ)を
つくり、いぐさで畳表を織り、湿気の多い日本の気候風土にふさわしい
床材として誕生しました。
畳は室内を素足で暮らす日本人の生活習慣と深い関係にあります。欧米では
室内でも靴を履いているので、床は汚れて当たり前ですが、日本は素足の
文化ですから、床をつねに清潔に保つことが大切です。靴を脱いで家に上がり、
畳のある空間で心身を休めることが、私たちにとっては自然で心地よいこと。
最近では和室がひとつもない家もありますが、できれば畳のある空間を設け
たいものです。
イグサの産地は?
畳表に使われるイグサは、熊本県八代市が主な産地で、冬に水田に苗を植え、
7月頃収穫されます。 刈り取った茎をそのまま干すと褐色になり品質が落ちる
ので、染土(せんど)という土を溶かした泥水の中にイグサを漬けて、その後に
乾燥させます。こうすることでイグサの青さと香りの良さが長持ちします。
畳の持っている力
畳の部屋に座ると心がおちつくのはなぜでしょうか。
その理由は、イグサの持つ天然の力にあります。イグサの表面は硬い皮ですが、
中身はスポンジみたいにフカフカして多数の穴があります。そのため調湿力が
高く、不快な湿気を吸い取り、室内が乾燥すれば水分を放出します。
断熱性が高いので、冬は温もりを、夏はひんやり感を与えてくれます。
そして、畳には人肌のようなソフトな弾力性があるので肌にしっくりなじみ
ます。吸音性もあるので、室内に静けさをもたらします。
畳の光の反射率は日本人の皮膚の色に近く、目にやさしい色合いが
安らぎを与えてくれます。加えて、イグサの鎮静効果のある独特の
香りも心をいやしてくれるのです。
畳のお手入れ方法
畳のお手入れですが、普段は畳の目に沿ってじっくり掃除機をかけます。
ぬれ雑巾で拭くと、畳の光沢がなくなるので、固く絞った布で拭くか、カラ拭きを
します。年に一度は畳をあげて虫干しをしましょう。その際には畳の裏面を日光に
当てるようにしましょう。