今回は「必要な地中埋設物とは」というテーマで話をさせていただきます。
地中埋設物は厄介ものであることがほとんどですが、中には生活をするのに
必要不可欠な地中埋設物もあります。それは給水管、下水管、ガス管などの
ライフライン。今回は給水管、つまり「水道管」に焦点を絞ります。
まずは水道管の状況を確認
水道は生活に欠かせないライフラインのため、これから家を建てる場合は、
水道の引込み管がどこに埋設されているか、素材や口径なども調査する
必要があります。
水道管が鉛など古いタイプの場合は健康への影響なども考えられるため、
取り換え工事が必要です。
水道は図のAのように道路の本管から真っすぐ敷地内へ引込むのが原則です。
しかし密集した路地などでは、Cのように引込み管が隣の敷地を通っている
事例や、他人の引込み管が自分の敷地を通っている事例、あるいは、
Bのように1本の引込み管を数軒で共用している事例などがあります。
水道管の状況は水道局へ問い合わせると確認できます。
水道局へ問い合わせるポイント
水道局では管轄エリアの給水に関する情報を提供しています。
問い合わせるポイントは次の4点です。
1.引込み管がない
2.給水管が鉛(なまり)
3.他人の土地を通っている
4.口径が13mm
このうち1点でも当てはまる場合は水道工事が必要になります。
水道工事が必要な状況
1.引込み管がない場合
家が建っていなかった土地や、長い間空き地として放置されていた土地には、
水道の引込み管自体がないということもあります。家を建てる際には改めて
引込み管を設置する工事が必要になり、費用が発生します。
2.給水管が鉛(なまり)の場合
現在の水道管は、ステンレス製や塩化ビニール製などがほとんどです。
鉛管(えんかん)は1970年代まで全国で使用され、現在も残っている
エリアがあります。鉛管は破損しやすく漏水が起きやすいという欠点があり
老朽化や耐震性の問題によって取り替え工事が必要な場合があります。
3.他人の土地を通っている場合
漏水事故が起きた場合には隣人トラブルになりやすく、水圧も不安定です。
建設工事中に水道管を破損するリスクも想定でき、売却する際に支障を
きたす恐れがあります。改めて道路側へ水道管を移設するとなると、
多額の工事代金が発生します。
4.水道管の口径が13mmの場合
水道管の口径には13mm・20mm・25mmの3タイプがあり、
13mmの水道管は最も古いタイプで、水圧が低く、今の生活環境には
適用していないため、20mmへの取り替え工事が必要です。
以上は、管轄の水道局で調べられる情報です。
このような水道工事が必要な場合、自治体などの補助がない限り、
土地の所有者が工事代金を負担することになります。