今回は「豪雨や液状化に強い地盤をつくる方法」についてお話します。
全国14府県で死者が200人を超える自然災害となった西日本豪雨。
総務省消防庁のまとめでは、この豪雨による住宅被害は3万棟を
超えると報道されました。
今や日本を襲う天変地異は気候変動による大雨だけではなく、
南海トラフを始めとした巨大地震も秒読みと見られる中、双方が
同時に発生する可能性もあります。
今回は、豪雨による浸水や、地震による液状化を抑制する地盤を
つくる具体的な方法として、ハイスピード工法をご紹介します。
地盤そのものを強くする「ハイスピード工法」
ハイスピード工法は、軟弱地盤に天然の砕石を柱状に詰め込むことで
地盤そのものを強くする特許技術です。
砕石はその隙間に水が通りやすいため、地震の揺れにより上昇した水は
砕石パイルを通じて外部に排出されることで、液状化の影響を抑制します。
砕石パイル工法
砕石パイル工法による液状化阻止のプロセスを詳しく説明します。
まず、その土地に液状化の危険性があるかどうか、液状化判定という
高度な工学的判断を調査します。調査データに基づき、地盤に孔(あな)
を堀り、その孔に砕石を詰め込んで石の柱を地盤にあうように造り上げ、
砕石と杭周辺の地盤の支持力を複合させて家を支えます。
地震の発生時には砕石パイルの施行により、砕石パイル周辺の地山を
締め固めて、強くするともに余剰水を逃して、液状化を抑制します。
地震の揺れにより上昇した水は、砕石パイルを通じて外部に排出され、
液状化による不同沈下を抑制します。
砕石パイルは大雨にも威力を発揮します。
砕石パイル自体の隙間が水を通すということは、大雨の時に地面や
屋根に降った雨を、地盤に浸透させることができます。
雨水を地盤に浸透させると川へ流れ込む雨水を抑制することができるので、
洪水を防ぐ効果もあります。また、地盤に浸透した雨水は地下水として
再利用が可能です。