今回は「地盤保証は必要なのか」についてお話させていただきます。
地盤保証とは
「地盤保証」とは、地盤業者が行った地盤調査および地盤補強工事が原因で
建物に不同沈下などを起こした場合に、その損壊した建物および地盤の
修復工事を行うことを約束した保証です。
瑕疵担保責任の対象範囲
現在の新築住宅は住宅瑕疵担保履行法により、事業者には住宅の引き渡し
から10年間の瑕疵保証責任が義務付けられています。したがって、万が一
建物に瑕疵が発生した場合には保証を受けることができます。
この瑕疵担保責任の対象範囲は基礎や土台など「構造耐力上主要な部分」と、
外壁や開口部など「雨水の浸入を防止する部分」とされています。
したがって、地盤調査義務等を適切に果たさなかったために、不同沈下などが
生じた場合には、瑕疵担保責任の対象となります。
しかし、住宅の基本構造部分に限定されており地盤自体は含まれていません。
そのため、不同沈下などで建物が傾いてしまった場合には瑕疵担保履行法に
おける保険の対象になる可能性は低く、建物そのものの補修費用は支払われる
ものの、沈下した地盤の補強工事費用は支払われないのです。
それら万一の際に、頼りになるのが「地盤保証」なのです。
地盤保証の補償内容
地盤保証の補償内容は、着工日から始まり引き渡し後10年間で被保険者が
法律上の賠償責任を負担することによって被る損害のうち
①建物の修復工事が5000万円
②地盤の修復工事2000万円
③補修工事中の仮住まい費用が50万円を上限として
保険金の限度額は1工事あたり5,000万円までとしているものが一般的です。
地盤保証の注意点
地盤保証の注意点として知っておく必要があることは、この保証は地震、洪水、
津波、集中豪雨、などの災害で生じる不同沈下事故は対象外となることです。
また、地震で生じる液状化による不同沈下についても対象外となります。
地盤補償のメリット
地盤保証のメリットは、第3者機関による地盤に関する解析・判定を受ける
ことができること。不同沈下等の地盤の瑕疵について、無償の修復を10年間
保証されることです。住宅の建築では地盤によるトラブルは少なくありません。