今回は「液状化現象とは」というテーマでお話をさせていただきます。
液状化現象とは
「液状化現象」とは、地震が発生した際に水を含んだ砂の地盤が
液体のように噴き出す現象をいいます。
2011年3月の東日本大震災では、各地で液状化現象が発生し、
深刻な問題になりました。NHKの報告では、液状化による住宅
の被害は関東を中心に23,700棟発生したと言われています。
液状化現象による被害
液状化現象による被害は、建物が沈下したり傾いたりするだけ
ではなく、水道管が浮き上がり断水するなど、ライフライン
への影響も大きく生活に支障をきたします。
液状化現象は、人々の生活や都市機能に影響を与えるため、
未然に防ぐことが重要です。
それでは、液状化現象はなぜ起こるのか。
その仕組みから説明をします。
液状化現象はどのように起こるのか
通常地盤は、建物などを支える基礎となる土地のことをいいます。
地盤は、土や砂・水・空気などが均等に混ざって構成されています。
砂が積もった地盤の中で砂粒子が互いにくっつき、その間に水が
ある状態です。泥や多量の水を含んだ常にやわらかい粘土や
固まっていない砂から成る地盤を軟弱地盤といいます。
地盤は地震によって連続した振動が加わると、砂の粒の間にある
水分によって砂と砂の間のかみ合わせが外れて水に浮いたような
状態になります。この状態が液状化した瞬間です。
液状化現象を起こすと地盤は強度を失って、建築物等に
被害を及ぼすことになります。地盤は地震後には時間の
経過によって、砂の粒が下の方へ詰まっていくことにより、
体積が減少して地表面が沈下します。
その際に砂の粒の間にあった水分の排出も進んでいきますが、
その一部が地表面に噴き出すこともあります。
液状化現象で一番怖いのは不同沈下です。
沈下が全体的に均一であれば建物に与える影響は少ないの
ですが、不同沈下すると建物が一方に傾くため建物に
大きなダメージを与えます。
液状化現象が発生しやすい地盤は?
液状化現象が発生しやすい地盤は、地下水が比較的浅い所に
あり、砂を多く含む地盤です。例えば、昔、その土地が海・川・
池・沼であったような所を埋め立てた場所などは注意が必要です。
東日本大震災では、液状化地域にありながらも、地盤改良など
の対策により被害が生じなかった住宅の例も報告されています。