今回は「地盤改良の種類」について話をさせていただきます。
地盤改良の必要性
建物を新築する際は、構造耐力上、安全な住まいを建築するために、
事前に地盤の強度を調べる「地盤調査」を行います。
地盤調査の結果、十分な地耐力が無い場合には「地盤改良」によって
地盤の強度を高める工事が必要です。地耐力とは地盤がどの程度の
荷重に耐えられるか又は、地盤の沈下に対して抵抗力がどのくらい
あるかを示す指標で地盤の支持力をいいます。
たとえば木造住宅を建てる場合、地盤が軟弱で地盤改良が必要と
判定された場合、住宅の荷重に地盤が耐えられるよう地盤補強を
しなければなりません。そのためには地盤改良が必要となります。
地盤改良の工法は大きくわけて4つ
地盤改良の種類には大きくわけて4種類の工法があります。
①表層改良工法
②柱状改良工法
③鋼管杭工法
④砕石パイル工法 です。
それぞれの特徴を簡単に説明します。
①表層改良工法
表層改良工法は地盤の表層に土砂とセメント材を強く押し固めて地層
をつくる工法で、軟弱層が浅い場合に採用することができる工法です。
メリットは比較的低コストで、強度を維持できることです。そして軟弱
地盤の強度を上げ安定した地盤層と一体化させて支持地盤を造ります。
デメリットは表層改良する深さより浅いところに地下水位がある場合は
避ける必要があることです。
②柱状改良工法
柱状改良工法は地中に柱状のセメント系の固形材を注入し特殊な
重機により柱状改良体を作ることで建物を支える工法です。
メリットは騒音と振動が低く、残土が少ないことです。
デメリットは施工後に地盤を現状に戻すことが難しいことと、固形材
つまり杭が残ってしまうことです。また、セメントと土が混ざると
発がん性物質である「六価クロム」が発生する可能性があります。
③鋼管杭工法
鋼管杭工法は地中に鋼管を打ち込むことによって支持力を得る工法です。
メリットは支持層に直接定着させるため、土の種類に左右されず軟弱地盤
を補強することができることです。残土が少なく、固まるまでの養生期間
が必要ないことも特徴です。
デメリットは支持層が無い場合には施工することができません。
また、将来土地を売却する際に、杭の撤去費用がかかる可能性があります。
④砕石パイル工法
砕石パイル工法は天然砕石により杭を打ちこむ最新の工法です。
地震時の際、液状化現象に強く、有害物質等が発生しません。
硬化材を一切使用しない砕石パイルは地盤に孔を掘り砕石を
詰め込んで地盤の支持力を高めます。
メリットは100%天然素材を使用するため環境に優しく廃棄
費用も発生しません。そして支持層がなくても施工ができます。
砕石パイル工法は無公害工法でセメントや鉄パイプのように劣化したり
錆びたりしない永久地盤の工法として注目を浴びています。
地盤改良工事の種類と特徴がお解かりいただけたと思います。