今回は「地盤調査の必要性と調査の方法」について話をさせていただきます。
地盤調査の必要性
建物を建てる際にいくら建物の構造や基礎がしっかりしていても、地盤が
良好でなければ、せっかく建てたマイホームが台無しになることがあります。
もし地盤が弱くて建物が傾いたりすると、日常生活に支障をきたしたり、
健康被害を引き起こすことになります。
そのようにならないために、建物を建築する前に地盤の性質の把握を
目的とした「地盤調査」をする必要があります。
この地盤調査をすることで地盤の強度がわかり地盤の安全性が担保されます。
安心して家を建てるには地盤調査が必要です。
2009年10月1日に住宅瑕疵担保履行法がスタートしました。
この法律は新築住宅を供給する事業者に対して瑕疵の補修等が確実に
行われるように保険や供託を義務づけるものです。
住宅瑕疵担保責任保険に加入するには地盤の安全性の判断がなされて
いることを確認するため地盤調査報告書の提出が必要です。
「地盤調査」の方法
地盤を調査する代表的な調査方法は次の3種類です。
①標準貫入試験
②オートマチック・ラム・サウンディング試験
③スウェーデン式サウンディング試験
それぞれの特徴について簡単に紹介します。
①標準貫入試験
標準貫入試験は「ボーリング調査」とも言われています。
三又やぐらを組み、機械で掘削して調査を行う方法です。
63.5㎏のオモリを76㎝の高さからサンプラーを打ち込みN値を求めます。
N値とは土の硬さや締まり具合を表す単位のことです。
このボーリング調査は主にマンションやビルなどの重量構造物の地盤調査に利用されます。
土が採取できるため最も正確な調査ができることがメリットですが、デメリットとして
コストが高く、試験時間が長く、大型の機械を使用するため、作業スペースの確保が
必要で作業時の騒音が発生します。
②オートマチック・ラム・サウンディング試験
オートマチック・ラム・サウンディング試験は一般的には「ラム試験」とも
言われています。ロットといわれる鉄の棒を地中に打ち込み調査する方法です。
主に集合住宅などの地盤調査に利用されます。ボーリング調査に比べて
低コストで行なうことができますが、作業時に比較的大きな音が発生するため、
戸建住宅の調査には、あまり採用されていません。
③スウェーデン式サウンディング試験
スウェーデン式サウンディング試験は、その名の通り、北欧のスウェーデンで
国有鉄道の地盤調査として使用したのが始まりです。先端がキリ状になっている
スクリューポイントを取り付けたロットに荷重をかけて地面にねじ込み25cm
ねじ込むのに何回転させたかを測定する方法です。試験は半日ぐらいで終わり、
低コストで行なうことが可能ですが、土が採取できないため、土質の判定が困難です。
日本ではJIS規格に制定され、現在の戸建住宅向け地盤調査では、最も多く採用されています。